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演習林(針葉樹/広葉樹)

 弊社には二つの小さな演習林があります。針葉樹林と広葉樹林です。いずれも1haにも満たない小さな林分である上に,放置されている年月が大変長い点において共通しています。日本のいたるところに普通に存在するこのような森林を,一体どのように手入れしていけばいいのか,悩みながらも,「利用」というキーワードを常に意識して手入れを行っています。これはとりもなおさず,人の介入する森林はたいていの場合,適正な利用が美しい森林を維持するという森林美学の考え方に即応しているのです。

針葉樹林(アカマツーヒノキ林分)

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  1haにも満たない小さなアカマツーヒノキの林分です。50年もの間放置されたこの森林を,平成2010年ごろから会員でコツコツ間伐しました。実際の森づくりを通して,林内の作業を習熟したり,生活と生活環境を豊かにする森林利用に関して色々な気づきがあります。また,この間伐材は,現在弊研究所の建物のすべての床として利用されています。弊研究所の大きな夢は,この小さな林地を起点としているのです。

広葉樹林(クヌギーケヤキ混交林)

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 こちらも全く小さな雑木林です。2013年の早春,ふとしたご縁で保有することができた市街地内の斜面林で,弊社から歩いて15分ほどで到着します。他の松本市内の林地同様,30年以上は放置されていると思われます。鬱蒼とした広葉樹林ですが,春先にはノビルやミツバ,ヤマウコギやサンショウ,夏にはハチク,そして秋にはたくさんのオニグルミを採取することができます。何十年もの放置によって,おびただしいフジのツルが巻きついてしまいましたので,最初の2年でできるだこれを除去したものの,樹木の上の方にあるものが除去できなかったため,今年は樹木医を持つ,プロのアーボリストさんにその除去をお願いしました。下の写真が除去前後(左が前,右が後)のものですが,フジヅルの除去だけではなく,樹形を整える剪定もしてくださって,クヌギの樹形が森林の中で際立ちました。素晴らしい技術です。アーバンフォレストリーの皆様には,この場をお借りしてお礼を申し上げます。どうもありがとうございました。

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株式会社アーバンフォレストリー http://urbanforestry-japan.com